研究成果事例集〜H21

平成21年(2009年)までの研究成果をまとめてご紹介します。

ひずみゲージを用いた触覚センサの開発

概要
 内視鏡手術での利用を目的に、臓器や体組織の硬さを測定できる触覚センサを作製しました。試作した触覚センサは吸引機構を有しており、臓器に吸着することで安定した硬さ計測が可能になります。胃壁を用いた評価実験を実施した結果、胃壁組織の違いを検出することができました。

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生分解性プラスチックの開発

概要
 通常のプラスチックは、自然界では分解されずに残り続けるため、環境や生態系への悪影響が問題になっています。そのため現在、様々な分野で生分解性プラスチックの開発が進んでいますが、その種類は少なく、エラストマーと呼ばれるゴム状の素材はありませんでした。
 当センターでは、小さな力で長く伸びる性質をもつ、生分解性エラストマーの開発に成功しました。付加価値の高い製品への応用を目指しています。(共同特許出願中)

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赤外線反射タイル

概要
 通常の建物に貼られている平滑な外壁タイルは、太陽から放射される赤外線を地表に照り返すため、夏期のヒートアイランド現象の原因のひとつになっています。この照り返しを防ぐために、太陽の方向へと赤外線を再帰性反射するタイルを試作しました。タイル表面にコーナーキューブという合わせ鏡状の凸凹を設けることで、赤外線の再帰反射率を約80パーセントにまで高めることができました。

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陶製冷風扇

概要
 冷風扇は、水が蒸発するときの気化熱を利用するため扇風機よりも涼しくエアコンほど電気を消費しないという特徴があります。そこで陶器の吸水性と表面からの蒸散機能を活かした陶製の冷風扇を開発しました。容器表面に多孔質層を設け、その毛細管現象により容器内の水は徐々に水面上部に送り出され、その水が表面に広がり気化することで気温を下げます。

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内分泌撹乱物質(環境ホルモン)の新規検出評価技術の開発

概要
 ヒトや生物のホルモン機能に作用し、生態系への影響が懸念されている内分泌撹乱物質の検出測定法は未整備でした。そこで、バイオアッセイ法(生物や細胞を用いて化学物質の有無や濃度を測定する方法)により、様々なホルモン機能へ影響を及ぼす物質を一度に測定できる検出評価技術を開発しました。(特許出願中)
※本研究は、長浜バイオ大学、株式会社日吉、県琵琶湖環境科学研究センターとの産学官連携で、経済産業省の地域新生コンソーシアム事業で取り組んだ成果です。

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機械異常音検査装置を開発するための支援システム

概要
 駆動部分を持つ製品では、部品のゆるみや欠損など機械的な異常が発生した場合、通常の音とは異なる音(異常音)を発生します。このような機械から発生する音を利用することで、製品の異常診断が可能ですが、長い経験を積み重ねた検査員のノウハウが必要でした。そこで本研究では、音をデジタル化することで、誰もが容易に異常音診断を行えるソフトウェアの開発を進めています。

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