上田中 隆志
- 専門分野
- 有機合成化学、超臨界流体の活用、分析化学
- 技術支援
- 赤外分光光度法(FT-IR)、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC/MS)による有機化合物の分析
超臨界流体中における反応や材料改質 - キセノンウェザーメータによる促進耐候性試験
研究テーマ
超臨界流体染色の実用化に関する研究(株式会社フジックスとの共同研究)
- 期間
- 令和4年度~
- 概要
- 繊維の染色工程は、莫大なエネルギーを使い、多量の廃水を生じるため環境負荷が高いことが問題となっています。染色工程の環境負荷低減技術として有望視される超臨界流体染色の社会実装を目指した研究を行いました。染色条件等を検討し、ポリエステル糸に対して、単一色染料による染色のみならず、染料の配合染色により多様な色での糸染色を実現しました。また、準生産機により糸のチーズ染色を実現し、この糸を使ってスポーツアスリート向けユニフォームが作製され、実際に使用されました。
- 実績
-
【メディア掲載等】
<新聞>
読売新聞(2024年12月24日)
「水のいらない糸染色術 ~県東北部工技センターなど 世界初実用化~」
日本経済新聞(2025年3月5日)
「糸の染色、CO2で節水 滋賀県・フジックスの溶媒技術」
<雑誌>
隔月刊 地球温暖化 2025年5月号 (日報ビジネス)
脱炭素技術の種「水を使わずにCO2で染色」
本研究は株式会社フジックスと共同で、経済産業省 成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)を活用して実施しました。
研究テーマ
毛髪の内部脂肪酸および18-MEAのGC/MS分析の実現に関する研究(タカラベルモント株式会社との共同研究)
- 期間
- 令和3年度~
- 概要
- 毛髪はダメージや加齢によって毛髪表面のキューティクルの剥離及び内部の空洞化が起こり、毛髪の質感が容易に低下します。キューティクルの剥離は18-メチルエイコサン酸(18-MEA)の脱離が、毛髪内部の空洞化は毛髪内部の脂質成分が流出が原因とされています。毛髪の健康状態の指標である脂質のうち主要成分である脂肪酸をガスクロマトグラフ質量分析計により分析し、同一毛髪サンプルから18-MEAおよび内部脂肪酸を定量化する技術を確立しました。
- 実績
-
【学会発表等】
第84回分析化学討論会(京都工芸繊維大学)2024年5月19日
「毛髪の内部の脂肪酸組成及び18-MEAの検出と定量化」
産業技術支援フェアin関西2024(大阪産業創造館)2024年11月15日
「毛髪ダメージの評価方法を確立」
共同研究先:タカラベルモント 化粧品研究開発センター(滋賀県湖南市)
研究テーマ
脂肪酸分析前処理法の効率化に関する研究
- 期間
- 令和元年~令和2年
- 概要
- 脂肪酸および脂肪酸誘導体は、食品分野では生体に与える機能性が注目されています。また、工業材料にも多く利用されています。このような背景から、品質管理や材料開発のために、脂肪酸および脂肪酸誘導体の分析は欠かせません。脂肪酸の分析にはガスクロマトグラフィーを利用しますが、脂肪酸誘導体は高極性で難揮発性のため、分析前処理が必要です。前処理には酸触媒によるメチルエステル化がよく利用されますが、用いる試薬が多く、長時間かかります。本研究では、超臨界アルコールを利用し、無触媒での脂肪酸および脂肪酸誘導体の前処理手法を確立しました。
- 実績
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令和元年度 滋賀県東北部工業技術センター研究報告書
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令和2年度 滋賀県東北部工業技術センター研究報告書
研究テーマ
3次元ウォータージェット交絡による自動車用不織布製電磁波シールド立体成形部品の開発(大塚産業マテリアル株式会社との共同研究)
- 期間
- 平成27年度~平成29年度
- 概要
- 自動車の高圧バッテリー等、大量の電流をモーターに送るときに発生する電磁波が電子機器の誤作動や人体への影響等が懸念されます。電磁波放射防止を目的とし電磁波シールド材が用いられますが、特に自動車等では軽量化が求められています。不織布により電磁波シールド材が作成できれば、大幅な軽量化が可能です。しかし、不織布製電磁波シールド材の成形法としては、主に熱プレス成形が用いられ、プレスにより繊維が伸縮し電磁波シールド性の低下が避けられません。また、多工程、バリ発生による材料ロスの発生という問題があります。これらを解決するため、本研究開発では、シールド材料の開発およびウォータージェットにて繊維交絡と三次元形状化を同時に行う新たな技術開発を行いました。
- 実績
- 中小企業庁 Go-Techナビにて成果概要を公開
-
本研究は大塚産業マテリアル株式会社と共同で経済産業省 戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)を活用して実施しました。
研究テーマ
超臨界アルコールを用いた有機化学反応の探索に関する研究
- 期間
- 平成16~22年
- 概要
- 超臨界アルコールは特異な性質を有しており、触媒を用いることなく反応が起こることが知られています。本研究では、超臨界アルコールと有機化合物の不飽和結合(C=C、C=O、C≡N結合)との反応について検討し、いくつかの特異な反応を見出しました。
- 実績
- 〇Mechanism for the reduction of ketones to the corresponding alcohols using supercritical 2-propanol
TETRAHEDRON 63(6) 1429 - 1434(2007).
〇Direct addition of supercritical alcohols, acetone or acetonitrile to the alkenes without catalysts
TETRAHEDRON LETTERS 48(48) 8460 - 8463(2007).
〇Transformation of benzonitrile into benzyl alcohol and benzoate esters in supercritical alcohols
TETRAHEDRON 64(24) 5699 - 5702(2008).
〇Selective reduction of unsaturated aldehydes to unsaturated alcohols using supercritical 2-propanol
JOURNAL OF SUPERCRITICAL FLUIDS 37(2) 215 - 219(2006).
〇The Meerwein-Ponndorf-Verley-Oppenauer type reaction in supercritical or high-temperature alcohols or acetone without catalyst: Effect of oxidation enthalpy and solvent concentrations on yield.
JOURNAL OF SUPERCRITICAL FLUIDS 49(2) 221 - 226(2009).
〇Ring-methylation of pyrrole and indole using supercritical methanol
TETRAHEDRON 66(27-28) 5059 - 5064(2010).

