目視でおおまかな材質(木、プラスチック、金属、セラミックなど)が予想される場合
ポイントは、とにかく「顕微鏡で観察する」ことです。
目 視ではよく分からない場合には、拡大して、ピンセットで分離したり、針で押して硬さを調べたり、ナイフで切って断面を見たりすることで、材質が予想できる ケースがよくあります。簡易な両眼の顕微鏡であれば、2万円ほどで十分使えるものが購入できるので、品質管理部門に一台は必需品です。
材質の予想がついたら、最後に分析機器で確認します。異物だけを取り出して分析するのがベストですが、異物が50μm未満の小さなサンプルの場合には、製品ごと10mm程度に切断して、電子顕微鏡で分析します。
異物サイズ:50μm以上 → 有機物か無機物か分からない → 顕微鏡のついた赤外分光分析装置(IR)で測定 → 有機物で無ければ、電子顕微鏡(SEM)の元素分析装置で測定。
異物サイズ:50μm未満 → 有機物は測定困難 → 電子顕微鏡で元素分析は可能
赤外分光分析(IR)の結果で得られる赤外吸収スペクトルを、指紋を照合するようにして物質を特定します(図1)。ただし、汚れの付着により他の物質が混入しているような場合には照合が難しくなりますが、吸収される波長から分子構造が推測できる場合もあります。
図1 赤外分光分析の結果
蛍光X線分析や電子顕微鏡で定性・定量分析を行うことで、物質を構成する元素のおおよその割合がわかりますので、そこから物質の種類を特定します(図2)。
図2 蛍光X線分析の結果
これ以外にも、異物の分析には色々なテクニックがありますので、お気軽に工業技術センターへご相談下さい。(機能材料担当 TEL 077-558-1500)