滋賀県工業技術総合センター 令和6年度(2024年度)業務報告

6. 運営懇話会結果概要

 当センターの運営および業務等に関して、適切な評価および意見ならびに提言を得て、センターの効果的、効率的な運営に資するため、滋賀県工業技術総合センター運営懇話会を設置しています。

 令和6年度に開催した運営懇話会の概要は次のとおりです。

開催日時

令和7年3月6日(水)13:30~15:30

開催会場

工業技術総合センター2階大研修室

委員

座長

  • 和田隆博 龍谷大学 名誉教授

委員

  • 大日陽一郎 山科精器株式会社 代表取締役社長
  • 小川 栄司 公益財団法人滋賀県産業支援プラザ 常務理事
  • 黒木 啓良 近畿経済産業局地域経済部地域経済課 課長
  • 髙原 誠治 信楽陶器工業協同組合 理事長
  • 二井谷春彦 ニデックマシンツール株式会社 代表取締役社長執行役員
  • 牧川 方昭 立命館大学 名誉教授
次第等
  1. 開会
  2. センターの運営・業務説明
    1. センターの概要
    2. 業務別の説明
      • 電子システム係、機械システム係の業務
      • 有機材料係、無機材料係、食品・プロダクトデザイン係の業務
      • 信楽窯業技術試験場の業務
    3. 前回評価に対する対応状況
  3. 委員からの評価、意見、提言等[質疑応答]
  4. 座長総括
  5. 閉会
委員からの意見・提言に対する回答

意見・提言

回答

工業技術総合センターの施設・設備の利用について、ベンチャーをやろうとしている人に向けての周知が足りないのではないか。強化いただきたい。(サポートする体制が薄いのではないか)
また、ベンチャーキャピタルや銀行との連携があってもいいのではないか。

センターとして、スタートアップ企業への支援を心掛けており、本課のイノベーション推進課においてもスタートアップ企業への支援事業を立ち上げているが、より一層のPRを行ってまいりたい。
銀行では関西の公的なセンターを回って研究シーズを調べて、ベンチャー企業に提案するなど支援をされており、協力させていただいている。

日進月歩で新しい情報が出てくるため、内製化にこだわらず、外部と連携していただきたい。また、滋賀大学データサイエンス学部は、企業とも連携して実践的な研究をされていると聞いている。同じ滋賀県という地域にあるので、連携を深めていただきたい。

(意見)

AI、金融に偏っていたベンチャーが、これからディープテックと言われているような少し課題の大きなことを解決しようというものづくり系のベンチャーへの流れも感じる。工業技術総合センターを核にして、ものづくり系でベンチャーをやろうという若者が集まっていただけるような拠点になっていただきたい。

イノベーション推進課において、テックプラングランプリというスタートアップ企業支援を行っている。中高生にも技術を知ってもらうための伴奏支援をさせていただいている。令和10年には高等技術専門学校もできるので若手との連携を図っていかなければならないと考えている。

少子高齢化で働き手不足という中、中小企業においては、いかに省力化を図り、いかに生産性を高めるかについて非常に関心が高い。AI、Iot、あるいは協働ロボット、そのあたりを一緒に進めていけるような取り組みができればと考えているのでよろしくお願いしたい。 (意見)

信楽窯業技術試験場の研修生が増加した要因、また大物ロクロを希望する研修生が増加した要因についてお聞きしたい。

大学や高等学校に対して、早い時期に広報を行い、夏にオープンキャンパスを実施しております。広報を見て参加される方が多くなっていることは、研修生が増加した要因の一つと考えられます。また、施設自体が新しくなったことも大きな要因と思われます。また、短期研修を受講し、基礎を学び、それ以上に学びたいから研修生に応募するという方も増えております。

大物ロクロを希望する研修生が増えた要因について、今回は、大物ロクロを希望した3名のうち2名が跡取りといったタイミングでもありました。今後も業界と連携して後継者育成に努めてまいりたい。

信楽窯業技術試験場の後継者育成について。

信楽窯業技術試験場においても課題であると考えております。職員を増やすことは、県の方針もあり、なかなか難しい状況です。現状、職員の業務量も増えており、機器利用、技術相談等の対応にも多くの時間を費やしております。外部組織、例えば、伝統工芸士の方に来所いただき、お力添えをいただきたいと考えております。新規職員の技術力やスキル向上には、時間を要しますが、2年を目途に育成していきたいと考えておりますので、ぜひにも業界の方々のお力添えをお願いいたします。

信楽窯業技術試験場のインターンシップ事業について、研修生と窯元とのマッチングを実施いただきたい。

令和6年度においては、初めての取り組みであったので、その反省点を踏まえ、研修生、窯元、信楽窯業技術試験場の三者でコミュニケーションをとり、相談しながら上手くマッチングできるよう取り組んでまいりたい。

海外の企業との付き合いで感じるのは変化が非常に早く、どんどんニーズも変わっており、市場で評価される技術の変化が速い。支援する側もメインで持っている技術のベンチマーキングが必要である。
ロードマップ的なものを作成し、例えば、技術分科会のようなところで、3か月や半年に1回程度のペースでアップデートして行く必要があるのではないか。
その結果得られるニーズに従い、試験設備等の試験環境を整えていただきたい。

県内において、スマート工場ではWi-Fiですべてデータを取るといったニーズがあることををつかんで、国へ提案し採択された「デジタル高速無線通信・EMC 評価ラボ」など分野での先々を見ているが、参考にさせていただき試験環境を整えてまいりたい。

信楽窯業技術試験場については、取り組みも良くなっており、研修生の増加にもつながっているのではないかと思われる。前向きに取り組むことで、業務も増加することになるため、それをサポートする体制を組織として考えていただきたい。職員の技術向上を図るなど、人材育成も考慮いただきたい。
信楽には、伝統があり、信楽窯業技術試験場でしかできない依頼が来る。栗東庁舎は、これから伝統を作っていくということが、これから必要なのではないかということを念頭に業務運営していただきたい。
(座長総括)